


男性の美容意識が高まる一方で、「興味はあるけれど行動に移せない」人はまだ多いです。
そこで、“肌を知る”ことをもっと簡単でワクワクする体験にするために『男の肌戦闘力診断』が生まれました。
BULK HOMMEが駅ナカで展開した本企画は、面白法人カヤックが企画・制作を担い、大きな話題を呼びました。
パーフェクト社はAI肌診断をAPIとして提供しました。
今回は、主催のBULK HOMMEと面白法人カヤックのご担当者様に、企画背景や開発エピソード、そして男性向けスキンケアのリアルイベントにかける思いを伺いました。

面白法人カヤックの企画・制作のもと、メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」(バルクオム)が実施した期間限定イベント『男の肌戦闘力診断』。
大阪・新宿の二か所で開催され、世代を問わず多くの方の注目を集め、連日多くの来場者でにぎわいました。

このイベントでは、男性が自分の肌状態を「戦闘力」として知ることができる「肌診断」を実施。
参加者の肌を専用モニターでスキャンすることで、肌に必要な7つの要素(うるおい・キメ・ハリなど)を項目ごとに解析。その結果をもとに、『肌戦闘力レベル』がスコア化して表示されます。
さらに、診断を受けた方にはスキンケアサンプル(洗顔料・化粧水・乳液)がプレゼントされ、楽しみながらスキンケアに触れられる体験が提供されました。

パーフェクト:
では本日はお願いいたします。
早速ですが、お問い合わせをいただいた際、男性向けの肌診断イベントというのはなかなか珍しい取り組みだと思いました。
この企画に対して、最初にどのような印象を持たれましたか?
BULK HOMME:
正直に言うと、私たちも最初は「本当に人が来るのだろうか?」という不安はありました(笑)。
ただ、社内で調べていたデータでは、男性の約半数が「自分の肌状態を正しく知りたい」と考えていることがわかっていたんです。
だから一定のニーズはあると信じていましたが、イベントという形でどれだけ来場者が集まるかは未知数でしたね。
パーフェクト:
なるほど。ある意味では賭けのような挑戦でもあったのですね。
BULK HOMME:
そうですね。それくらい新しい挑戦をしたかったというのもあります。
男性向けスキンケアの認知や興味を広げるには、思い切った試みが必要だと考えました。
パーフェクト:
開催場所に、大阪と新宿の“駅ナカ”を選ばれた理由はありますか?
BULK HOMME:
1か所だけでの開催だと局所的なイベントにとどまってしまう懸念があったため、もともと複数都市での開催を計画していました。
駅ナカは人通りが多く、偶然通りかかった方でも気軽に参加できる点が魅力で、会場として選定しました。
面白法人カヤック:
企画・制作側として、私たちも会場には伺いましたが、大阪会場では常に行列が絶えないほどの大盛況で安心しました。
一方で新宿は立ち止まりづらい場所だったため初日はやや苦戦しましたが、徐々に認知が広がり、最終的には多くの方に肌診断を体験していただけました。

パーフェクト:
『男の肌戦闘力』というコンセプトも印象的でいいですよね。非常によく考えられていると感じました。
このコンセプトにはどのような思いが込められているのでしょうか?
面白法人カヤック:
女性だけでなく、男性の肌も日々、紫外線や乾燥、ストレスなどさまざまな外的要因にさらされています。
そこで、肌が持つ防御力を『肌戦闘力』として数値化することで、ゲーム感覚で自分の肌状態を直感的に理解できるようにしました。
単なる診断にとどまらず、適切なスキンケアを知ってもらうきっかけとして、『戦える肌にアップデートせよ。』というキャッチコピーとともに企画・制作しました。
パーフェクト:
イベントの世界観は、普段のバルクオムの上品なブランドイメージとは少し違う印象でした。
そういったコンセプトも関係しているのでしょうか?
BULK HOMME:

当ブランドが掲げている理念に「THE BASIC」というものがあるんです。
これは、「時代や流行に左右されない、本質的で揺るがない価値を提供する、メンズスキンケアのベーシックであり続ける」という意味なのですが、かみ砕いていうと「バルクオムさえ使っていれば間違いない」と男性に思っていただけるようなスキンケアブランドを目指しているということ。
ただ、今回は美容にまだ馴染みのない男性にも興味を持ってもらう“きっかけ”を作りたかったという背景があります。
面白法人カヤック:
こうした背景をバルクオムさんからご相談いただいたときに、美容に興味がない、美容が身近でないと感じている男性にどうやって関心を持ってもらうかを考えました。
その中で出てきたのが『肌戦闘力』というワードです。
そこで今回は、あえて普段のブランドイメージとは少し異なった、キャッチーかつゲーム感覚で参加できるような世界観にこだわって企画しました。
パーフェクト:
なるほど、そこで『肌戦闘力』が活きてくるわけですね。
面白法人カヤック:
駅ナカで通行人の目を引くには、やはりキャッチーなワードが必要ですし、友人と一緒に楽しめるコンテンツの方がいいと考えたんです。
「肌診断やっています」と掲げると、女性向けのイベントだと思われて素通りされてしまう可能性があります。
そこで、参加のハードルを下げ、美容に興味がない方でも楽しめるようなコンセプトにしています。
BULK HOMME:
『肌戦闘力』という言葉は弊社の社内でも好評でした。
世代を問わず、男性が思わず反応してしまうワードなんですよね(笑)。

パーフェクト:
実際の参加者数はいかがでしたか?
BULK HOMME:
想定以上の方に体験していただけました。特に大阪は常に行列状態。
もともとイベントを知っていた方より、通りがかりにふらっと興味本位で立ち寄ってくれた方が多い印象でしたね。
パーフェクト:
参加者の反応はいかがでしたか?
面白法人カヤック:
多くの参加者が「面白い!」と楽しみながら体験してくださり、反応は非常にポジティブでした。
自分の気になる肌悩みがスコアにきちんと反映されていることで、納得感を持って楽しんでいる方が多く見受けられましたね。
さらに、診断結果をSNSでシェアできる仕組みをしっかりと作りこんでいたこともあり、多くの方が肌診断の結果を友人やフォロワーと共有していました。
診断スコアが低めだった方も、この体験をきっかけに「スキンケアを始めよう」と意識を変えるケースが多く、イベントの目的であった「興味をもってもらうための入り口をつくる」効果を実感しています。
パーフェクト:
みなさんそれぞれの楽しみ方をされていたんですね!社内の反響はありましたか?
BULK HOMME:
社内の反応も想像以上によく、企画に携わっていない社員もイベントに遊びに来てくれました。
「スコア〇点だったよ~」と社内で共有し合う姿もみられ、良いコミュニケーションにつながっていたように思います。
パーフェクト:
今回のイベントで、肌診断をAPIで実装することにした背景について教えていただけますか?
面白法人カヤック:

従来の既存モジュールではUIが固定されてしまい、自由にカスタマイズすることが難しいという課題がありました。
バルクオムさんのブランド世界観をイベント体験にしっかり落とし込むためには、自由度の高いAPI を活用することが最適だと判断したためです。
パーフェクト:
他にも類似のサービスをご検討されたと思うのですが、その中で弊社を選んだ理由は何でしょうか?
面白法人カヤック:
他社もいくつか比較しましたが、御社のサービスは診断サービスを実際に試せたのが大きかったですね。
導入前に動作を確認できる安心感と、精度の高さが決め手です。
コストの面でも導入しやすさを感じました。
パーフェクト:
ありがとうございます。
精度の面では高く評価いただけて幸いです。
APIだと1セッション単位での利用が可能なので、UI・UX面でもコスト面でも柔軟性が高く活用できたと感じていただけたと思います。
導入に関して不安なことはありましたか?
面白法人カヤック:
APIのドキュメントが英語中心だったため少し戸惑う場面もありました。
また、今回利用したAPIはリリース直後のサービスだったため、多少の不安点はありましたが、サポートが丁寧だったおかげで問題は解消できました。
パーフェクト:
開発や設計の過程でこだわったポイントを教えてください。
面白法人カヤック:

一般的な肌診断・美容診断とは異なり、「肌戦闘力」というユニークなスコア設計にしたことです。
AI肌診断の結果をいかに男性に響く形で伝えるかを意識しました。
肌診断→スコア表示→サンプルプレゼントという一連の流れを通して、“楽しみながら知る”体験を意識して設計しました。

パーフェクト:
今回のイベントを通して、何か新しい発見はありましたか?
BULK HOMME:
一番の発見は、「男性でも自分の肌を知りたい」というニーズが存在するということです。
実は私自身も、この会社に入るまでは自分の肌状態をほとんど気にしておらず、男性向けのスキンケアを見ても「自分には必要ないだろう」と思っていました(笑)。
一同:爆笑
BULK HOMME:
実際に肌診断イベントを開催してみると、予想以上に多くの方が参加してくださいました。
若い世代だけでなく、40〜50代の方も積極的に参加してくれたのが印象的です。
美容にあまり関心がなかった方への入り口づくりはもちろん、興味はあるけれど一歩を踏み出せなかった方の背中を押すこともでき、イベントを通じて新しい体験を届けられたことが最大の収穫でした。
パーフェクト:
男性のスキンケア意識は、ここ数年で確実に変わってきていますよね。
BULK HOMME:
はい、昔から美容に関心のある男性もいましたが、ここ10年ほどでその層は大きく増えた印象です。
潜在的に美容に興味を持っていた方も、よりスキンケアに取り組みやすくなりましたし、社会全体としても「男性が肌をケアするのは当たり前」という流れが確実に進んでいると感じます。

パーフェクト:
今後、ECサイトで「肌診断」の展開はお考えですか?
肌診断を活用することで、単に商品を販売するレコメンドではなく、スキンケアのアドバイスや知識を提供しつつ、自然に商品に誘導するような展開は可能だと思うのですが。
BULK HOMME:
はい、具体的な検討までは進めていないですが、サイトの導線設計次第で十分可能だと思います。
そもそもバルクオムのホームページに訪れる時点で、一定の興味を持っているユーザーが来ているわけですし、そこに肌診断の体験を組み込むことで、まだ訪れたことのない人にも「ちょっとバルクオムのページを見てみよう」と思ってもらえるような設計ができれば、有効だと思います。
スキンケアに対する知識があまりない方でも、学んで楽しみながら商品購入できる流れができたらいいですよね。
パーフェクト:
まさにコンテンツ設計の話ですね。
「面白い」「すごい」と感じてもらうだけでなく、「助かる」「便利だ」と感じてもらえるようにすることで、単なる体験にとどまらず、ショッピング体験に自然に結びつけることができます。
この度はお時間いただきありがとうございました。

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