


昨年末、ジェイアール名古屋タカシマヤ・タカシマヤ ゲートタワーモールで開催された美容イベント「コスメEXPO@NAGOYA」。(株)ジェイアール東海髙島屋、(株)アイスタイル(@cosme)の連携により開催されました。
会場内の体験コンテンツとして導入されたのが、パーフェクト株式会社のAI肌診断ツール『スキンケアプロ』。肌診断を起点に、売場回遊や商品理解、購買へとつながる導線が設計されています。
本記事では、導入の背景や体験設計のポイント、そして両社の協業によって生まれた価値について、両社の担当者に詳しく話を伺いました。

――今回、AI肌診断を導入された背景を教えてください。
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
これまでにもAIを活用した診断コンテンツを実施した経験があり、その際、特に20代・30代のお客様から非常に高い評価をいただいていました。デジタルならではの新しい体験は、従来の売場とは異なるアプローチで興味を喚起できるという手応えがあり、今回のコスメイベントでも有効だと考えました。
そうした背景から、来場者の関心を引き込む“入口”として、AIによる肌診断を取り入れたいと考えたのが導入のきっかけです。
アイスタイル(株)担当者
私たちは、単なる商品展示にとどまらず、来場者一人ひとりが体験を通じて“自分ごと化”できる設計を重視しました。まずは自分の肌状態を客観的に把握する――そのプロセスを起点にすることで、会場内のベストコスメ展示や商品タッチアップへの導線が、よりパーソナルで納得感のあるものになると考えています。

――数あるソリューションの中で、弊社の『スキンケアプロ』を選ばれた理由は何でしょうか。
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
最大の理由は、診断スピードと直感的な操作性です。今回のようなフリー来場型イベントでは、少しでも操作に戸惑ったり、結果表示までに時間がかかったりすると、それだけで離脱につながってしまいます。事前に展示会で実機を体験した際、そのスピード感と精度の高さを実感し、「これなら来場者の体験を損なわない」と確信しました。
また、コスト面でのバランスの良さに加え、イベント仕様に応じたカスタマイズの柔軟性も評価しています。検討段階から並走してくださった担当者の方の丁寧な支援も、大きな安心材料となりました。
(株)アイスタイル担当者
当社としては、これまでも『スキンケアプロ』を活用してきた実績があり、使い勝手の良さや体験価値の高さについては十分に認識していました。そうした背景から、今回のイベントにおいても安心して採用できるソリューションとして導入を決定しています。

――今回、(株)アイスタイルのエリアには8台、(株)ジェイアール東海髙島屋のエリアには4台と、計12台の端末を導入されました。特に「8台同時稼働」は珍しいケースですが、どのような狙いがあったのでしょうか?
(株)アイスタイル担当者
大規模イベントにおいて最も重要なのは、「お客様を待たせないこと」だと考えています。どれだけ魅力的なコンテンツであっても、待ち時間が発生した瞬間に体験の価値は大きく損なわれてしまうからです。 そこで今回は、あえて8台を集中的に配置し、「来場してすぐ、待たずに体験できる状態」をつくることを重視しました。
――実際の運用では、待ち時間の課題は解消されましたか?
(株)アイスタイル担当者
時間帯によっては列ができる場面もありましたが、多台数で同時稼働していることで回転率を維持でき結果として体験の取りこぼしや離脱を最小限に抑えることができたと考えています。
また、入口に賑わいが生まれることで、「何をやっているのだろう」と通行中の方の興味を引くきっかけにもなり、自然な集客装置としても機能していたと感じています。
――デザイン面でもイベントの世界観が統一されていて印象的でした。

(株)アイスタイル担当者
ありがとうございます。今回は『スキンケアプロ』の画面デザインや遷移先を、イベントのキービジュアルやカラーに合わせてカスタマイズしました。
外部ツールとしてではなく、あくまでイベント体験の一部として自然に溶け込ませることを意識しています。その結果、「操作している」という感覚よりも、「体験として楽しんでいる」という印象を持っていただけたのではないかと感じていますね。

――(株)ジェイアール東海髙島屋のエリアでは2箇所で展開されていましたね。
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
はい。タカシマヤ ゲートタワーモールとジェイアール名古屋タカシマヤのコスメティックカウンターにそれぞれ端末を分散して配置しました。アイスタイル様の入口施策と連動させながら、会場全体として回遊が生まれる導線設計を意識しています。
具体的には、入口での診断体験を起点に、「自分の肌状態に気づく」→「お悩み別の展示エリアで商品を比較する」→「各テナントのカウンターで実際に試す」という流れを明確にしました。単なる体験で終わらせず、その後の行動につなげることで、より自然に購買へと結びつく導線づくりを目指しました。

――診断結果の提示方法について、両社で異なる工夫をされたと伺いました。
(株)アイスタイル担当者
アイスタイル側では、あえて結果画面に具体的な商品名は表示しない設計にしました。代わりに、毛穴やシワ、乾燥といった悩み項目を明示し、来場者自身が、自分の肌状態や自分に必要なケアを把握できるようにしています。
そのうえで、会場内のPOPと各悩み項目を紐づけることで、「自分の悩みに合う商品はこれだ」という発見につなげました。自分なりの納得感を持って商品にたどり着けるため、単なる閲覧にとどまらず、より深い興味喚起につながったと感じています。
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
タカシマヤ ゲートタワーモールでは、診断後に「お悩み別商品紹介カード」を配布しました。デジタル上で完結させることも可能でしたが、あえて手元に残る形にすることで、イベント後の行動につなげる狙いがあります。
このカードをきっかけに、後日あらためて店舗へ足を運んでいただく――いわば継続的な来店を促すトリガーとして機能することを期待しました。

――あえて形に残る施策はユニークですね。実際にカードを持って来店されるお客様はいらっしゃいましたか?
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
はい、複数のテナントから『カードを持参して来店されたお客様がいた』との報告を受けています。カードに記載されているおすすめの商品を店頭POPにも記載していたため、お客様もショップスタッフに声をかけやすかったようです。デジタルで得た気づきを、アナログなカードで実店舗の購買へ繋げる。この一連のサイクルがうまく機能しました。

――実際の成果についてはいかがでしたか?
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
期間中の肌診断利用者数は、合計で約9,750件に達しました。レポート取得時に一部離脱が見られるという課題はありましたが、カメラエントリーの数値で見ると、当初の想定を大きく上回る結果となりましたね。
中でも大きな成果は、診断機を会場入口に設置したことで来場の心理的ハードルが下がり、その後の展示エリアへの回遊が非常にスムーズになった点です。単なる体験コンテンツにとどまらず、会場全体の賑わいを生み出す起点として機能していたと感じています。
(株)アイスタイル担当者
アイスタイル側でも約8,000回の体験が記録されました。計測期間やタイムゾーンの影響を考慮すると、実際の体験数はさらに多かった可能性があります。
また、今回の「コスメEXPO」全体の化粧品売上も想定以上の結果となっており、診断体験が来場者の興味関心を高め、購買意欲の底上げに寄与した手応えを感じています。

――現場での来場者やスタッフの反応はいかがでしたか?
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
来場者の方からは、「診断が速い」「内容が細かくてわかりやすい」といったポジティブな声を多くいただきました。
特に印象的だったのは、親子や友人同士、カップルで一緒に体験し、「どっちのスコアが高いか」「同じ悩みがあるね」といった自然な会話が生まれていた点です。単なる診断ツールとしてだけでなく、診断をきっかけにコミュニケーションが広がり、体験そのものの価値を高めていたと感じています。
(株)アイスタイル担当者
運用面では、スタッフの負担が非常に少なかった点も大きなメリットでした。イベントスタッフ中心の体制でもスムーズに運営でき、特別なサポートがほとんど不要なほど操作性が高かったと感じています。
一方で、ピークタイムにおけるネットワーク依存の影響による表示遅延など、技術面での改善余地も見えてきました。こうした点は、次回に向けた重要なアップデートポイントだと認識しています。

――今回の取り組みにおける協業の価値について教えてください。
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
当社としては、施設全体の回遊設計やテナントとの連携をいかに最適化するかが重要なテーマになります。その中で、アイスタイルさんが持つ生活者視点に基づいた体験設計のノウハウは非常に示唆に富むものでした。来場者がどのように興味を持ち、どのように行動するのかといった視点が加わることで、より実効性の高い導線設計が実現できたと感じています。
(株)アイスタイル担当者
一方で、私たちだけではここまでスケールの大きな“場づくり”は実現できません。高島屋様が持つリアルな売場やテナントネットワーク、そして来場者との接点があってこそ、診断体験を購買へとつなげる導線が成立したと考えています。
――まさに両社の強みが掛け合わさった取り組みですね。
(株)アイスタイル担当者
そうですね。単なる診断体験で終わらせるのではなく、その先の売場回遊や商品理解、さらには購買行動まで一貫して設計できた点は、この協業ならではの価値だと感じています。

――今回の成功を踏まえ、次回の開催に向けた展望をお聞かせください。
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
実はすでに、第2回に向けたキックオフはスタートしています。次回は単なる踏襲ではなく、今回得られた学びをもとに、より購買に直結する仕組みを強化していく予定です。具体的には、診断結果に応じたデジタルクーポンの発行や、各ショップへのスムーズな予約導線の整備など、体験後のアクションをより具体的に後押しする施策を検討しています。
また、ジェイアール名古屋タカシマヤは昨年で開業25周年を迎え、多くのお客様に長くご支持いただいています。一方で、タカシマヤ ゲートタワーモールは2017年開業と、まだ成長の余地が大きい施設です。今後、10周年に向けてさらに魅力を高めていく中で、アイスタイル様のお力もお借りしながら、「いつ来ても新しい発見がある」「来れば何か面白いことがある」と感じていただける場づくりを目指していきたいと考えています。次回の「コスメEXPO」についても、ぜひご期待いただければと思います。
(株)アイスタイル担当者
私たちとしても同様に、オンラインとオフラインをシームレスにつなぐ体験は、まだ発展の余地が大きいと感じています。今後は、この体験をさらに進化させるべく、データを活用したパーソナライズの強化や、診断後の行動を後押しする仕組みづくりにも取り組んでいきたいと考えています。
名古屋エリアの美容市場をさらに活性化していくという共通のビジョンのもと、髙島屋様、そしてパーフェクト様との連携をより一層深めながら、来場者にとって価値のある体験を継続的にアップデートしていきたいですね。

――最後に、今回のプロジェクトを振り返っての感想をお願いします。
(株)ジェイアール東海髙島屋担当者
いつ訪れても面白いことをやっていると感じていただける施設であり続けるために、テクノロジーの活用は欠かせません。アイスタイル様の生活者視点と、パーフェクト様の技術力。この三位一体の協力があったからこそ、今回の成果につながったと実感しています。
(株)アイスタイル担当者
百貨店というリアルな購買の「場」と、私たちの「知見」、そしてAIという「テクノロジー」が融合したことで、新しい顧客体験のかたちが見えてきたと感じています。
@cosmeで培ってきた生活者との接点をリアルにも広げていくことは非常に重要です。今回の取り組みを通じて、美容市場全体のさらなる活性化につなげていきたいと考えています。
今回の取り組みで印象的だったのは、AI肌診断を単なる“話題性のある体験”にとどめず、「体験を起点に購買へとつなげる導線」として丁寧に設計していた点です。
(株)ジェイアール東海髙島屋が持つ“場づくり”の力と、(株)アイスタイルの“生活者理解”。それぞれの強みが掛け合わさることで、来場者にとって自然に納得できる、質の高い体験が生まれていました。
リアルとデジタルを横断しながら、体験・理解・行動を一貫してつなぐ――。
本取り組みは、これからのリテールにおける新たな顧客体験の方向性を示す好例と言えるでしょう。今後のさらなる進化にも期待が高まります。

パーフェクト株式会社は、日本、アメリカ、ヨーロッパ、台湾、中国、インドに拠点を構えています。 お客様のニーズや予算規模に合わせた柔軟なソリューションを提供しており、現在700以上のコスメ・ファッションブランドとパートナーシップを結び、10万点以上のコスメ商品を60か国以上で展開。
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