グローバルメイクアップブランド「KATE(ケイト)」は、2021年2月、LINE公式アカウント内に「新しい自己表現メイクを 1to1でサポートする」ための新コンテンツ「KATE MAKEUP LAB.」をリリース。中でも、顔診断の特徴点を測るパーフェクトのAIシステム「AI フェイスアナライザー(顔分析)」を採用した「KATE SCAN」では、スマートフォンで自分の顔を読み取るだけで、黄金三角比率や5眼比率などのパーツ比率を測定。その結果をKATE独自のロジックで解析し、オリジナルのパーソナルメイクメソッドを提案してくれます。
また、同年9月には、 同じく「AIフェイスアナライザー」とKATE 独自ロジックの掛け合わせによって、顔印象分析を行ない、一人ひとりの顔立ちに似合う「ザ アイカラー」のおススメ4色を提案し、自動販売機のように商品が出てくる店頭什器「KATE iCON BOX」をローンチしました。今回、KATE PR担当の若井さんと、国内マーケ担当の松本さんに、導入背景やユーザーからの反響、実際の効果についてお話を伺いました。
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「KATE MAKEUP LAB.」は、デジタル技術の活用によりユーザー体験を創造するコンテンツとして捉えています。デジタルカウンセリングを通じて、メイクをしてきれいになるだけではなく、「なりたい顔に変われる」メイクメソッドまで習得できる顔診断コンテンツを目指しました。そのためには、通常のバーチャルメイクと異なり、より具体的で細かいアプローチを提案する必要があると考え、自分の顔の特長を知ることができる「AI フェイスアナライザー(顔分析)」機能が最適でした。
店頭だけでなく、いつでも好きな場所でメイク提案が受けられるようにコンテンツを充実させていて、この中で商品購入までできる設計にしています。場所や時間を選ばずメイクを楽しんで頂けるような、今までにない新しい顧客体験の創出を目指しました。
より多くの方に気軽に使用いただけるプラットフォームであるということから、アプリではなくLINEによる導線を選択しました。顧客1人1人にあわせた情報提供となるデジタルカウンセリングを行なう上で、最適なツールであると考えました。
バーチャルメイクコンテンツではなく、よりパーソナルな視点から「変われる」メイクメソッド提案してくれる新しい顔診断コンテンツであることが伝われば、ユーザーに興味を持っていただけるのではないかと考えていました。ローンチ後は、想像以上の反響で、特別な施策を打たずとも登録者数を増やすことができました。SNSでは、「メイクの参考になる」「自分の顔のパーツ比率を客観的に知ることができる」「今まで気づいていなかった新しい自分に出会える」など多数の声がありました。自分のパーツ比率が分かるだけでなく、そこから自分だけのメイクメソッドを習得できる点が評価されていると感じています。また、1人1人にあったメイク提案を自分の顔にのせて体験できるという点も大変喜ばれています。
自信をもってリリースしたコンテンツになりますが、想定以上の反響でした。開始直後からTwitterで話題となっており、テレビ取材も受けていたので、お客様からの反響は高いことが想定されていましたが、グローバルでみても高いリーチ数だと聞いて、大変嬉しいです。
20年7月14日にバーチャルメイクコンテンツ「VIRTUAL TESTER」をリリースした1か月間と、今回「KATE MAKEUP LAB.」をリリースした21年2月1日からの1カ月間の比較を行なった結果、実訪問者数が約30倍に増加していました。20年12月に初めて小顔シルエットマスクを発売し、ブランドサイトが賑わっていた際と比較しても、同じくらいの伸びがあり、効果を感じています。
リリースから1年4カ月、2022年6月時点では、LINEのお友達登録数は120万人を突破していますが、当初から最も重要視してきたのは、いかにLINEの外からユーザーを誘導できるかという点です。バーチャルメイクや顔診断といった最新機能は、搭載してブランドとして満足するのではなく、それらの機能をより多くの方に知って頂き、継続して使って頂くことで初めて意味のある施策となります。
22年3~4月にリリースした「ザ アイカラー」のオンラインコンテンツがあったのですが、そのコンテンツページからMAKEUP LAB.への導線を引くことで、X (Twitter) でもバズり、新規ユーザーを獲得することができました。このようにどの施策も単発施策ではなくMAKEUP LAB.を軸に公式Youtubeチャンネル「KATE CHANNEL」やWebマガジン「KATE MAGAZINE」と連動させることで中長期的にユーザーとの関係性を作っていくことができる施策にするよう心がけています。
また、MAKEUP LAB.利用者データも活用し、コンテンツ活用数に合わせたユーザーへのメッセージ配信なども行い、リテンションの改善に努めています。
2019年頃から、店頭に自動販売機のような感覚で化粧品の購入が出来る什器を設置する構想は練っていました。しかし当時はLINEやYouTube等のSNSコンテンツの充実に最優先で取り組んでいた背景もあり、すぐに実現には至りませんでした。その後21年2月にKATE MAKEUP LAB.をリリースし、想定以上の反響を実感しました。このようにさまざまなデジタルの強化を行ってきた中で、今度はデジタルだけではなく、店頭でお客様にもっと楽しんでもらえる、リアルとデジタルを融合させた施策はないかと開発したのが「KATE iCON BOX」でした。
パーソナライズした商品提案から画期的なバーチャル体験、そして購入までを一貫して行えるショッピング体験を可能にした取り組みです。
「KATE iCON BOX」は、ユーザーの顔をスキャンして、パーフェクト社のAI 技術とKATE 独自のロジックによる顔印象分析を行ない、ユーザー一人ひとりに似合う「ザ アイカラー」4 色を組み合わせた限定の「KATE オリジナルアイシャドウパレット」とメイク方法を一緒に提案する仕組みです。提案されたカラーコンビネーションを、26色からお好みの4色にカスタマイズすることもできます。35万通りもの塗り方ができるので、自由にメイクを楽しむことができます。顔のパーツ比率と肌印象に合わせた4色の提案から、自分好みの色のカスタマイズまで、他社にはない顧客体験が実現できました。
世界に一つだけの自動販売機として21年9月にリリースしてから、流通の垣根を超えて都内各所のドラッグストアを回遊し、期間限定で設置しています。
「世界に一つだけの自動販売機型什器」として、沢山のウェブメディアやTVに取り上げて頂いております。今回の一連の取り組みにより、非接触商品販売方法や消費者コミュニケーション方法にも注目を頂くきっかけになりました。
※あわせて読みたい「第14回 日本マーケティング大賞」で花王株式会社「KATE」が準グランプリを受賞
「世界に一つだけの自動販売機型什器」で自分に似合うアイシャドウと限定アイシャドウパレットが手に入るため、購入頂いたユーザーの方々にはTwitter等で沢山シェアしていただいております。また設置されたドラッグストアの公式アカウントから設置についての告知ツイートをして頂いたところ、該当ツイートが約5,000回リツイートされ、1.3万いいねを頂くほど反響があったこともありました。このような口コミでの興味喚起がきっかけとなり、連日「KATE iCON BOX」に行列ができるようになりました。
「直近設置した店舗では、設置前後で対象商品の売上が133倍(設置前後8週間比較:花王調べ)と大幅UPし、バーチャル体験から購入までのコンバージョンも、MAKEUP LAB.からECサイトへの遷移率と比較しても高い数値を記録しています。 商品提案から、体験・購入までを一つにして、消費者にも好んで使って頂けたのが 数字でも表れています。
また、Twitterでは、「KATE iCON BOX」に関して総計 1.231億のインプレッション*(28,050ツイート)を獲得し、SNS上の反響も実感できています。」
*Twitterにおける21年1月~22年6月の期間のデータより
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