「守る・見える・魅せる」をコンセプトに掲げるアイウェアブランド「アイブレラ」。
このたび、パーフェクト株式会社はサングラスのバーチャル試着ツールを提供いたしました。
今回は、バーチャル試着ツールの導入に至る背景や想い、導入後の成果、そしてお客様との「対話」を何よりも大切にするブランド理念について、株式会社SUPLUSおよびoriginals&coの皆様にお話を伺いました。
アイブレラさんは創業15周年とのことですが、まずはその歩みを教えていただけますか?
はい、サングラスブランド「アイブレラ」は、今年で創業15周年を迎えました。
「守る・見える・魅せる」という3つの価値を軸に、私たちは単なるサングラスではなく、「瞳の健康のためのサングラス」としてのアイウェアを開発してきました。
紫外線やブルー光線など、目に与えるダメージや眩しさから目を守る機能性はもちろんのこと、日々の生活に溶け込み、誰でも抵抗なく身につけたくなるようなファッション性にもこだわってます。
販路の主軸はテレビ通販で、これまでにテレビショッピングを通じて、約100万本ものサングラスを販売してきた実績があります。
大手企業との取引実績も多数あり、長年にわたり質の高いサービスを提供してきました。
そんな中、試着に関しては課題を抱えていらっしゃったとか。
その通りです。 アイウェアという性質上、本来であれば「試着してから買いたい」と思われる方が多いはずですが、アイブレラでは試着の機会が非常に限られていました。
実店舗は全国に一店舗のみ。遠方の方にとっては訪れるのが難しく、実際に試着して購入されるお客様はごくわずかです。
テレビ通販という販売形態の特性上、「一度も試着せずに買うなんて…」という不安の声やご意見も少なからずいただいてきました。
特にサングラスは顔の印象を大きく左右するアイテムのため、購入前に装着感や似合い具合を確認したいというニーズは当然のことだと感じています。
私たちはこれまで、長年の経験に基づいて試着せずとも購入して頂ける商品設計をベースに、細かい商品説明、モデルの着用例など様々な方法で商品の魅力が伝わるよう工夫を凝らしてきました。
それでも、「もしデジタル上で気軽に試着できたら、もっと多くの方に安心して選んでいただけるのに」という思いは、常に私たちの中にありました。
バーチャル試着の導入には長年の想いがあったそうですね?
はい、実は10年以上前から、バーチャル試着の導入は検討していました。
というのも、アイブレラはテレビ通販を中心とした販売形態で、全国に店舗は1店舗しかなく、「実際に試着してみたい」というお客様の声が非常に多かったんです。
特にサングラスは、顔に直接身につけるアイテムですので、フィット感や印象を確認したいというニーズは強く、それに応えられないことが大きな課題でした。
実は過去に、自社での試着機能の開発にも挑戦したことがあります。サングラスの細かいデザインやレンズの透明度を自然に再現するには技術的なハードルが高く、当時は実用レベルにまで至りませんでした。
そんな中で私たちの目に留まったのが、パーフェクト社の高度なAR技術です。
パーフェクトのサービスが他社よりも魅力的だった点は?
私たちがパーフェクト社のバーチャル試着サービスに注目したのは、実はメイクアップ分野での圧倒的な技術力がきっかけでした。
もともと、同社が提供していたバーチャルメイクの精度には以前から関心を持っており、「このテクノロジーがあれば、きっとメガネやサングラスにも応用できるのでは」という期待が高まったのです。
サングラスは、フレームの形状やサイズ、そしてレンズの色味や透明度など、細かなディテールの再現が非常に重要なアイテムです。
その再現度が不十分であれば、ユーザーは「本当に自分に似合うのか」が判断できず、購入の後押しにはなりません。
パーフェクト社のバーチャル試着システムは、その精度において他社を大きく上回っていました。 ユーザーの顔の輪郭やサイズに合わせて自然にサングラスをフィットさせ、さまざまな角度から確認できるため、まるでリアルに鏡を見ているかのような感覚を提供してくれました。
加えて、直感的に操作できるUIも大きな魅力でした。
シニア層を含めた幅広い年代のお客様が使いやすい設計になっており、初めての方でもすぐに試着を楽しめる点は、私たちにとって非常に重要なポイントでした。
そして実証テストを経て、ついに今年、アイブレラのオンラインショッピング体験にパーフェクト社のバーチャル試着ツールを正式導入することを決定しました。
実際に導入された後の反応はいかがでしたか?
非常に良い結果が出ました。導入後の顧客アンケートでは、90%もの方が「また試着を試してみたい」と回答しています。
これは商品自体の魅力もさることながら、バーチャル試着体験が顧客の購買意欲を高めている証拠だと思います。
実際に86%の方は「バーチャル試着を使用することで商品の購入がしやすくなった」と回答しています。
特にシニア層の反応が印象的でしたよね?
はい。私たちのお客様の8割は50代以降の方々です。
なんと90代の方からも「この試着サービスは使いやすい」という声を多数いただいています。
90代の方も使いやすさを評価してくれたのは驚きですね!
UI・UXを徹底的に追求した結果だと思いますし、この反応は本当に励みになります。
テレビで商品説明を聞きながら、お手元のスマートフォンで試着体験が簡単にできることを想定しているので、より簡単に、そしてより楽しくすることを意識しました。
ターゲットやシチュエーションに合わせたカスタマイズができるのもパーフェクト社の魅力だと思います。
もう少し具体的に聞かせてください。バーチャル試着導入に際し、特にこだわったポイントは何ですか?
一言で言えば、「ストレスなく、試着から購入までスムーズに進める“最短ルート”の設計」にこだわりました。
テレビ通販という販売形態上、オンラインショップにアクセスいただくお客様は非常に多いのですが、その中で「試着できないから不安」といった理由で離脱してしまうケースも少なくありませんでした。
幸い、パーフェクト社のインターフェースは元々直感的で非常に使いやすく、ユーザー体験を最優先に設計されていました。
そのため、既存の優れた機能を活かしつつ、いかに「バーチャル試着 → 購入」へとスムーズに導線をつなげるかに注力しました。
▲公式サイトのトップバナーにバーチャル試着の導線を設置
例えば、オンラインショップのトップページには、バーチャル試着の大きなバナーを設置し、試着機能の存在を分かりやすくアピールするなど、導線の強化には特に力を入れました。
また、製品の魅力である高いデザイン性や、紫外線カット・ブルー光線カットなどの機能性を、バーチャル上でいかにリアルに再現するかという点も大きな課題でした。
特にレンズの色味や透明度の表現には徹底的にこだわり、1枚のレンズ調整に約5時間をかけるなど、何度も試行錯誤を繰り返しました。
レンズの微妙なニュアンスまで正確に伝えることで、「実際に装着したときの違和感」を極力なくすよう努めました。
導入に際してもうひとつ重要だったのが、既存のオンラインショップシステムとの技術的な互換性とシステムの安定性の確保です。
バーチャル試着機能がストレスなく動作することを重視し、両システムの連携テストを繰り返し行い、不具合やエラーが起きないよう慎重に設計しました。
一方で、導入初期にはテクノロジーに不慣れなお客様から「使い方がわからない」といった声もありました。
特にシニア層のお客様にとって、新しいデジタル技術に抵抗感を持たれるケースもありましたので、試着機能の使い方をわかりやすく伝える工夫も不可欠でした。
そのため、FAQの充実や、画面付きの操作ガイド、簡単なチュートリアル動画などを用意し、「誰でも迷わず使える」環境づくりに力を入れています。
期待していた効果(サイトアクセス数、売上、集客、満足度向上、リピート率など)はどの程度実現しましたか?
バーチャル試着機能を導入したことで、当初期待していた効果はほぼすべて実現できたと感じています。
サイトアクセス数と集客効果
テレビショッピングなどを通じて当社の商品を知ったお客様が、Webで検索する中で「試着ができる」という情報に触れ、実際にバーチャル試着を試してくださるケースが増えました。
その結果、特に新規顧客の流入やSNS上での話題化につながり、想定以上の集客効果が得られたと感じています。
売上
良い傾向が出ています。
バーチャル試着機能があることで「自分に似合うかどうか」が事前に分かり、購入のハードルが大きく下がりました。
顧客満足度
大きな手応えがあります。
通販では「実際にかけてみないと分からない」という不安がつきものでしたが、バーチャル試着によってその不安を軽減できたことで、「安心して購入できた」という声を多数いただいています。
リピート率
定量的なデータはこれから集計していく段階ですが、 「2本目は同じフレームで色違いを選びやすくなった」「前よりも購入がスムーズになった」といったお客様の声が届いており、継続的な購入につながる可能性が高いと見ています。
試着後の体験についても、特にLINEの活用が印象的でした。
バーチャル試着を「試着ツール」で終わらせるのではなく、顧客との「対話」のきっかけにしたいと考えています。
その中心がLINEです。
テレビ通販を視聴した顧客がオンラインショップにアクセスし、試着体験ができる導線を整えました。
また、ウェブサイトに訪れたものの試着をせずに離脱した方に対しては、アクセス履歴に基づいて、LINEで試着を促すメッセージを自動送信しています。
パーフェクト社のLINE体験設計ノウハウを大いに活用しています。
購入後の顧客に対しても、LINEで購入情報の登録や修理依頼ができるようにし、アフターケアの充実にもつなげています。
特に、1年以内であれば無償で修理できる体制を整えており、顧客満足度の向上に貢献しています。
「アイブレラは対話してくれるブランド」というイメージを確立したいという思いを持っています。
▲アイブレラの公式LINE友だち追加QRコード
https://lin.ee/URBSOll
▲アイブレラの公式LINE友だち追加QRリンク
特に印象的だったのが、「自分がサングラスをかけてる姿を誰も見たことない」という発言です。
はい。普段、鏡で見るサングラス姿はレンズ越しであり、客観的に自分の姿を見る機会はありません。
しかしバーチャル試着なら、リアルタイムかつ様々な角度から確認でき、自分に似合うものを選ぶ価値ある体験になります。
他者からどう見られているかをバーチャルで確認できるのも、購入の後押しになります。
今後の展開について、どのようにお考えですか?
バーチャル試着は一過性の取り組みではなく、今後の顧客接点の核になると考えています。
お客様との関係をより深め、継続的につながるための“入口”として活用していきたいと思っています。
今後は、テレビ放送とバーチャル試着を連動させた企画も検討中です。
放送を見ながらその場で試せる新しい購買体験の提供を目指しています(詳細は今後の戦略次第ですが、期待してます)。
バーチャル試着から得られる新たな顧客体験が、テレビ放送とお客様双方向のコミュニケーションの橋渡しの役割になることを期待してます。
“いつでも相談できるブランド”として、お客様に安心を届けたい。
バーチャル試着をきっかけに、その実現に向けてさらに取り組みを広げていきます。
▲パーフェクト株式会社のバーチャル試着
パーフェクト株式会社は、日本、アメリカ、ヨーロッパ、台湾、中国、インドに拠点を構えています。
当社は、最先端のAR(拡張現実)およびAI(人工知能)技術を活用したサービスを、美容・ファッション業界のブランドや小売店に提供しています。
お客様のニーズや予算規模に合わせた柔軟なソリューションを提供しており、現在700以上のコスメ・ファッションブランドとパートナーシップを結び、60か国以上でサービスを展開しています。