近年さまざまな事業領域で使われているAIですが、その中、特に目覚ましい発展を遂げている領域の1つに美容関連の顔の特徴を分析や診断するAIが挙げられます。顧客エンゲージメントを高める施策に取り組むことも注目されています。
本記事では顔の特徴分析にかかわるAIの基礎的な説明と、美容業界における活用について解説します。
顔の特徴をAIで分析
AIとは何か?なぜAIがビジネスで利用できるのか?について、以前の記事で解説しましたが、実際に顔を分析する技術の開発は簡単ではありません。人間の顔の形や色は個々人ごとに異なりますし、顔の角度や明るさによっても色コードのパターンはまるで違います。それらの課題を克服し、人間の顔特徴を判別できるようになったAIがAI顔分析なのです。
顔の特徴がわかるAIの仕組み
人間の顔をコンピュータプログラムによって認識する技術はパターン認識と呼ばれます。これは最近開発された新しい技術ではなく、何十年も前から研究者たちによって研究されてきたものです。ただ、AI技術の発展に伴って、近年開発されるパターン認識の技術も高度化してきています。
人間が人間の顔を認識するとき目や鼻の位置や形などの特徴や、顔の領域の大きさなどを元に、人間かどうか判別します。人間はこの行為をごく自然に行っていますが、実はこれは非常に高度な情報処理なのです。
AIの場合は膨大な数の顔写真のデータを教師データとして記憶させ、人間の顔の特徴パターンを学習するという方法によってパターン認識の精度を高めます。近年はディープラーニングと呼ばれる高度な機械学習アルゴリズムを用い、効率的に大量のデータを処理して精度を高める方法が採られます。
美容業界で顔の特徴を分析するAIの活用
顔に関わるAIは、さまざまな事業領域で活用されていますが、現在注目を集めているのは美容業界での活用です。かつての美容業界ではECサイトの普及は他業界よりも遅れている状況にありました。
なぜなら、扱われる商品の性質上、PCやスマートフォンのモニターで色を見るだけでは、本当に自分に似合うのかどうかがわからないからです。したがって、店舗に比べてEC上で創出される顧客エンゲージメントは高くなく、あくまでも店舗に行けないときの代替的なチャネルでしかなかったのです。
しかし、顔の特徴を分析できるAIの登場によってその状況が一変します。AI を活用する顔の特徴分析は、手元のスマートフォンのカメラで撮るだけで、ユーザーの顔の特徴を認識できるからです。その技術を利用し、カメラに映したユーザーの顔に対してリアルタイムでコスメのお試しや肌診断を適用できるようになりました。
その結果、美容業界でもECサイトのエンゲージメントが向上し、利用率が急速に伸びてきています 。店舗に行けないときの代替的なチャネルだけではなく、OMO戦略やファンマーケティング戦略の一環になっています。
主な活用イメージ
バーチャルメイク
顔の特徴を分析するAIを活用したサービスにバーチャルメイクがあります。バーチャルメイクとはAR(拡張現実)の一種で、ユーザーの顔画像にリアルタイムでコスメのお試しをするサービスです。これにAI技術による高精度なディープラーニングを組み合わせると、AIがユーザーの顔の細かな特徴を認識して、顔のタイプに合った商品を提案するような機能も可能となります。
AI肌診断
もう1つの活用例としてAI肌診断が挙げられます。AI肌診断はフェイスAIを活用し、ユーザーの顔画像から現在の肌のコンディションを判定するサービスです。
肌のコンディションの判定ができたら、そこからその肌の状態に適したスキンケア商品に繋げていくこともできます。従来は専用デバイスを使わなければ肌診断は難しかったですが、ユーザー個人が所有しているスマートフォンで手軽に肌診断ができるため、顧客エンゲージメントや顧客接点の増加が期待できます。
OMO戦略
顔の特徴を分析するAIの技術はECやオンラインだけのものではありません。そのAI技術を使えばECと店舗をシームレスに繋げられます。
《あわせて読みたい:ビジネスに最適なオムニチャネル・ソリューションである理由》
例えば、店舗にスマートフォンやタブレットを設置し、販売員が接客対応する際において、それらのデバイスを使いながらユーザーとコミュニケーションを取るといった活用方法が考えられます。コロナ禍以降、接触しない接客対応が求められているため、有用です。
また、ユーザーが自宅でECを利用し、バーチャルメイクや AI 肌診断を利用した際「店舗に行ってもっと詳しく聞きたい。直接試してみたい」という欲求が喚起されます。AI 顔特徴分析はECの売上にも貢献しますが、店舗への訪問数増加への貢献も期待できるのです。
パーフェクト社のAI技術機能と特徴
AI 肌診断
パーフェクト社のAI 肌診断モジュールは高度なディープラーニングアルゴリズムにより、高精度な肌診断を実現しました。
14個の肌分析パラメータを約数秒間でチェックできます。診断結果は各項目が数値化されスコアとして表示されるので、客観的に自分の肌の状態を認識できるのです。これほど多くのパラメータをこれだけの短時間でチェックできるAIは同業他社にもあまり例がなく、パーフェクト社のAI肌診断は優れた製品と言えるでしょう。
AIスマートシェードファインダー
顔の特徴分析AIを活用して顧客1人ひとりに合ったファンデーションを提案します。これは従来のフェイスAIとは異なり、より精密にパターン認識をしています。他の事業領域では人間の顔かどうかを判定するものが多いですが、パーフェクト社のフェイスAIの強みは顔の特徴を分析することができ、肌の色のパターンまで精密に認識し89,969種類もの肌色を検出しできます。
また、照明や顔の位置、顔の角度もAIが自動で認識して調整します。美容業界におけるフェイスAIやAR技術はどれだけリアルに近い体験ができるかが非常に重要です。パーフェクト社のAIスマートシェードファインダーは高精度かつ高精細なAI技術によって極めてリアルに近いバーチャル体験をユーザーに提供します。
導入事例
デコルテ DECORTÉ
デコルテは肌の水分量のケアが一般消費者にあまり浸透していない点に着目し、自社EC上にパーフェクト社のAI肌診断モジュールを導入しました。
このことによりユーザーは自宅や学校、カフェなど、好きな場所で気軽に自分の肌の水分スコアを計測できるようになりました。ユーザーはまるで画像編集ソフトを使うような感覚で気軽に楽しい体験をしながら適切なスキンケアについて学べるのです。
この施策により、ECサイトにおけるユーザーの滞在時間が平均32%増加しました。それに伴い、売上も85%増加したとのことです。
※あわせて読みたい:AIスキンケア診断とバーチャルトライ導入後、ユーザーのウェブサイトの滞在時間が32%アップし、エンゲージメントと売上も向上
美容業界における「顔特徴のAI分析」の活用
美容業界における顔特徴のAI分析の導入効果は目覚ましいものがあります。これは今までの美容ECの課題を解決するデジタルソリューションであり、画期的な技術です。まだ美容業界におけるECは需要が伸びる余地が大きいです。2022年以降も顔認識AIのイノベーションと美容業界における活用は発展的に続いていくでしょう。
国内外400以上のブランドに導入されている弊社のテクノロジーに関するさらなる詳細は、
お気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフをサポートします。