美容業界でのAI 顔分析：パーソナライゼーション戦略の成功事例

近年はAI技術の発展が目覚ましく、さまざまなビジネスへの応用が始まっています。

もちろん美容業界も例外ではなく、AIを活用した顔認識や顔分析が普及しつつあります。

なぜ美容業界でもAIが注目されているのでしょうか？

本記事ではAI顔分析が美容業界で活用できる理由及びについて簡単に解説をします。

▲PERFECT社のAI顔分析ツール

AIとは何か？

ご存知の方が多いと思いますが、AIとはArtificial Intelligenceの略語で日本語では「人工知能」と呼ばれます。

ではAI（人工知能）とは何なのでしょうか？百科事典マイペディアでは以下のように説明されています。

「コンピューターの目覚ましい発達を背景にし、学習、推論、認識、判断など、人間の脳の役割を機械に代替させようという研究分野、あるいはそのコンピューターシステムをいう。」

研究者によって定義はまちまちで、統一的な定義はまだ決まっていません。

しかし、本格的な学術研究に携わるわけではなくビジネスで利用するだけならば、本来人間がやっていたような判断を代替するコンピューターシステムがAI（人工知能）であると考えれば良いでしょう。

AIをビジネスに活用したい企業が増えている

様々な業界において、様々なシーンで利用されている AI 技術。

AIが得意としているのは大量のデータ情報を分析したり、そこから予測を立てたりする作業です。

このような作業をAIに任せれば生産性が向上し、付加価値も高まります。

そのため、AIをビジネスに活用し、時代の流れや市場環境の変化に耐えうるビジネスモデルが作りたい企業が増えています。

AIのビジネス利用の例としてメルカリの事例が挙げられます。

メルカリは専用の出品アプリにAIを搭載し、顧客体験の向上に成功しました。

メルカリのアプリで出品する商品の写真を撮ると、AIが自動で何の商品化を判別し、ブランドや商品名の候補を表示してくれます。

出品者にとっては商品情報を入力する手間が省け、購入者にとっては正確な商品情報が得られる、一挙両得の活用方法と言えるでしょう。

化粧品ビジネスでも活躍

ここまでビジネスにおける AI の活用について述べてきましたが、化粧品に深く関わる２つの業界「製造業」「小売業・卸売業」でも、様々な目的でAIが利用されています。

製造にかかわる化粧品会社は、生産プロセスの外観検知に AI 画像認識の技術が活用され、製造の品質を保っています。

あるいは、コスメ売り場の顧客購入データに基づき、AI が需要を予測し、生産量の調整や新商品開発に繋がるヒントを生み出す活用方法もあります。

注目される顔に関連するAI技術

多様な AI 応用の中で、人間の顔に分析する AI 技術は、化粧品、美容またはファッション業界においては、一番注目される技術の一つとも言えるでしょう。

画像や映像から顔を検出し人間を識別する「顔認識」から、登録した顔データに照り合わせて本人確認をする「顔認証」、顔の特徴をカテゴリー分けて「顔分析／顔診断」まで、システム効率化のツールから、消費者とコミュニケーションを取るまでの展開など、幅広く活用できます。

美容業界に相性が合うAI顔技術

特に「AI顔分析／顔診断」は、美容・ファッション業界への価値提供及び活用ポテンシャルが高いと思われます。

人間の目で主観で判断していたユーザーの顔の特徴を、AIが数万～数十万枚の顔の画像を学習したことにより、カメラデバイスで客観的に認識し、精確に顔の特徴を判断することができるようになります。その特徴やカテゴリーデータに基づき、

• 「おすすめのコスメはこちら！」
• 「〇〇メイクが似合う！」
• 「このイヤリングがおすすめ」

など、消費者一人ひとりに最適な商品提案が可能になります。

さらなる応用としては、こちらの事例に紹介した「AI顔分析」に合わせて、他のAR試着ソリューションを利用し、消費者の購入を促すことに成功した企業もあります。

ネットで簡単に情報収集や商品購入ができ、ブランド間の競争が激しくなっている今、「AI顔分析」技術はユニークなユーザー体験を構築するために、必要不可欠な技術となっていくのではないでしょうか。

「AI顔分析」とはどのような技術か？

それでは、簡単な活用イメージができたら、「AI顔分析」の技術面について分かりやすくご説明します。

人間は他人の顔を見たとき一目見ただけで顔だと認識できますが、プログラムの場合は普通に画像を認識してもそれは色の並びでしかありません。

そこで、どのような色の並び方だったら人の顔なのかを判定する必要があります。これを「パターン認識」と言います。   

人間がこれを行うのは簡単ですが、AIが行うのは簡単ではありません。

なぜなら人間の顔は1人ひとり形が違うからです。

そこでディープラーニングのような学習技術を用いて膨大な顔の特徴データをAIに学習させるのです。

そうするとAIが人間の顔の特徴を覚えて正しく認識できるようになります。  

美容業界に用いられるAI顔分析はこのパターン認識をより細かく高度に精細に行う技術です。

すなわち、人間の顔かどうかという大雑把な認識の仕方ではなく、この人の顔にはどのような特徴があるのか、この人の肌はどのような状態なのか、この人の顔や肌に合う商品はどれか、画像からそれを認識できるレベルまでパターン認識の粒度を細かくし、学習するデータ量（多様な人種、性別、年齢など含む）を膨大にします。

この高度な技術だからこそ、「カメラで顔を撮るだけで、AIが自動的に自分に合う美容商品をおすすめしてくれる」といった顧客体験を可能にするのです。

ユニークなユーザー体験が作れる「AI顔分析」

近年「AI顔分析」の技術を提供するサービスプロバイダーが多くなり、ユーザーが自分の顔を使用し、今までなかった遊びや体験ができるようになっています。

遊びコンテンツへ活用した例

• 未来の自分の顔がわかっちゃう「タイムマシン」
• そっくりの芸能人
• イケメン判定
• 美人判定
• 何の動物に似ているか
• 他人の顔を自然に入れ替える
• 二人の顔をアップロードすると、赤ちゃんの写真を予測

当社が配信している、全世界で累計10億ダウンロードを突破したアプリシリーズ「YouCamアプリ」の中でも、このような遊びコンテンツは常に人気な機能の一つです。

美容業界ビジネスでの活用

美容業界のビジネスにおいては、「AI顔分析」活用の仕方は以下の例を挙げられます。

• 最適な商品を提案し、ECサイトの販売を促進させる
• 会員とのコミュニケーションを深める
• 店舗、オンラインにおけるOMO戦略ツールとして

ビジネスへの展開背景及び事例などは次にご解説します。

「AI顔」技術が美容業界での活用展開

背景

コロナ禍でさらに加速されたネット販売は、コスメブランドに自社ECの重要性を改めて実感させたのではないでしょうか。

以前、化粧品のECといえばAmazonや楽天などのECモールへの出店がメインでした。

しかし、ECモールは家電などの他のジャンルの製品と共通のプラットフォームなので、きめ細かいサービスの提供や顧客の動きの分析ができません。

自社ブランドのファンの育成、ブランディングの意識向上及びマーケティングにおける顧客体験価値の重要性が向上する につれて、美容業界ならではのきめ細かい機能がデジタルチャネルや店頭にも必要になってきたのでしょう。

販促ツールとして

消費者に似合うメイクルック及び関連商品をアドバイスするのは、商品の検索や主観的なアンケートより手間がかからず、精確にスピーディーに行えるため、AI顔分析を導入した企業様が増えています。

来店客に自身の顔の特徴に合わせた商品をレコメンドしたら、お客様が商品への興味が普通の商品閲覧より高くなり、購入に繋がる可能性が高くなると思われます。

顧客との関係性を強化

自分の顔の特徴をもっと知りたいと思っている消費者が数多いため、このような機能に目を惹かれ、顔分析を体験したら、サイトでまた色々閲覧するようになり、サイトでの滞在時間が明らかに増加すると考えられます。

祝日キャンペーン、新商品の発売に合わせて、繰り返しの利用も見込められています。このように顧客との関係性を構築できると、ビジネスの成長にも繋がります。

OMO戦略の一環

ECだけではなく、店舗においても活用できるのです。

コロナ禍が始まって以降、人々の衛生観念は大きく変化しました。

ソーシャルディスタンスという概念が生まれ、店舗においてもできるだけ接触しないコミュニケーションが普及しました。

店舗においてスマートフォンやタブレットを使い、AI技術を使った顔や肌の分析をその場で利用しながら、美容部員とコミュニケーションを取るといった展開の事例（KANEBOの「IHOPE KANEBO」）もあります。

パーフェクト社AI顔分析の導入事例

ここでは顔分析を活用した事例を簡単にご紹介します。

AI顔分析に、ARメイクやAI肌診断を掛け合わせて利用すると、さらに効果が高まることがわかりました。

それぞれのインタビュー詳細を読みたい方は、各事例のリンクからぜひご確認ください。

KATE「KATE SCAN」&「KATE iCON BOX」

グローバルメイクアップブランドのKATEは2021年2月、LINE公式アカウント内で新しいコンテンツ「KATE MAKEUP LAB.」をリリースしました。

このコンテンツにはパーフェクト社の「AI 顔分析」及び「ARメイク」が搭載されています。

KATEは通常のバーチャルメイクだけではなく、もっと具体的で細かい顔の特徴に基づいた提案をするためこのシステムを選びました。

その結果、バーチャルメイクお試し回数が週間200万回を突破、サイト訪問回数が30倍になるなど成果を上げています。

さらに、2022年最新の実績からは、パーフェクト社の AI 顔技術を使用した自動販売機型什器「KATE iCON BOX」の設置前後、対象商品の売上が133倍（設置前後８週間比較：花王調べ）と大幅UPしました。

COFFRET D'OR 「COFFmi」

「COFFmi（コフミ）」は、デジタルサービスにより、「お客様一人ひとりが、よりご自身に似合うメイクと美しさを発見し、メイクをさらに楽しんでいただけるように」と願うブランドの想いから開発されました。

「AI フェイスアナライザー（AI 顔分析）」と「AI肌診断」を組み合わせ、アイテム・色分析機能である「COFFmi CHECKER（コフミチェッカー）」に搭載することにより、お客様のお顔の特徴・肌の状態をトータルで精度高く分析することができ、コフレドールのアイテムの中から最適な商品をお客様にご提案するトータルカウンセリングが可能となりました。

以前ローンチしたキャンペーンサイトに比べ、「COFFmi」UU数は1.8倍、PV数は3.4倍に増え、平均滞在時間も1セッションあたり2.6倍に伸長しました。

パーフェクト社のAI顔分析について

ここで、ご紹介した２つの事例で活用いただいたパーフェクト社のAI顔分析ソリューションについてご紹介させていただきます。

主な特長

パーフェクト社の最先端のAI、AR技術を常に開発し、美容業界のデジタルソリューションをサポートしています。

本ソリューションの利用により、数多くのブランド成功に導いた本ソリューションの特長を4つご紹介します。

学習パターン

• 世界中の老若男女の方利用者に提供するため、性別や民族的背景が異なる10万以上の顔のパターンを学習しています。

検知できる項目数

• 70以上の顔の特徴：顔、目、眉毛、唇、鼻、頬骨
• 5種類トーン／シェードの検出：肌色、眉毛の色、目の色、髪の色、唇の色

セキュリティ面でも安心

• セキュリティ面では、HIPAA* コンプライアンスに対応しています。
  *HIPAA（Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996）は、健康関連の個人情報を保護するための米国連邦法です。

試着ソリューションと併用可能

• 顔を分析して終わるのではなく、コスメ商品あるいはスキンケア商品の細かく具体的にパーソナライズが重要のため、他のAR試着/AI肌分析ソリューションと併用可能となり、より効果的です。

複数チャネル対応可能

• 自社ブランドサイト、公式EC、アプリ、店頭や中国市場向けのミニプログラムなど、一つのソリューションで複数のチャネル上で実施可能となります。

これらの特長を生かしたソリューションの活用により、高度に学習したAIがお客様1人ひとりの顔の特徴に基づいた最適な商品を勧め、顧客体験価値を大幅な向上につなげることができます。また、今も顔分析エンジンは常に改善を繰り返しています。

美容業界におけるAI顔分析の今後に要注目

AI技術の進化は目覚ましく、今後ますます発展していくだろうと思われます。

それに伴って、AI技術を導入しているブランドとそうでないブランドの顧客体験価値は大きく差が開いていくでしょう。

今後美容業界で必要不可欠になっていくといわれるAI顔分析技術を活用した顧客体験の向上について、是非一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

その際にはパーフェクト社のソリューションがきっとお役に立てることとと思います。

自社商品への活用の方法が具体的にイメージできていない段階でのご相談・ご質問も可能です。営業窓口までお気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフをサポートします。